
実は「トップクラスのβカロテン」を含んでいると言われている程、とても栄養価の高い野菜なんです。
でも正直、大葉(しそ)は匂いも苦味も独特で苦手だなんていう人も多いはず。
一般的には生で食べるイメージですが、魚や肉を巻いてフライにして加熱調理にも使用したりします。
揚げる事によって大葉(しそ)の香りも治まるので食べやすくはなりますが、肝心な栄養価が失われてしまうのでは・・・?
そこで今回は、大葉(しそ)の栄養的に加熱して食べるのと、生で食べるのではどちらが良いのかという点について、紹介します。
大葉(しそ)を栄養加熱することの影響は?
大葉(しそ)の栄養は加熱することで、どんな影響を受けるのでしょうか?
当たり前ですが、元々葉っぱですので、ビタミン類を多く含んでいます。
ただ、ビタミンといっても、加熱に弱いビタミンCだけではありません。
冒頭でも触れましたが、大葉(しそ)はβカロチンを豊富に含んでいます。体内でビタミンAになる成分です。
加熱による栄養成分の影響は、熱に弱いビタミン類は壊れてしまいますが、それ以外の成分は影響を受けにくいとされています。
また、葉っぱ類ですので、加熱すると体積が少なくなり、ペチャンコになります。
すると、生ではそれほど大量に食べられなかった大葉(しそ)を加熱することでたくさん食べられるようになります。
したがって、栄養の摂取が容易になります。
つまり、生では少量しか摂ることのできなかった有効な成分が、加熱することで大量に摂取することができます。
それに、大葉(しそ)を食べ過ぎて悪いことなんてありませんからね。詳しくはこちらをどうぞ↓
大葉(しそ)の調理方法によって栄養は変わる?
大葉(しそ)は調理方法によって、栄養価が異なります。
例えば、刻んでから水に放すと水溶性のビタミンCは溶け出てしまいます。
逆に、油を使って調理すると、脂溶性のビタミンAつまり、βカロチンが体内に取り込みやすくなります。
大葉(しそ)のもつ効能
他にも、栄養価そのものは変わりませんが、大葉(しそ)は使い方によって万能な役割を果たしてくれます。
例えば、お刺身に大葉(しそ)が添えられていると、臭み消しと毒消しの効果があります。
また、大葉(しそ)の香り成分である「ペリアルデヒド」には食欲増進効果がありますので、冷ややっこやそうめんの薬味として使用することで、食欲増進が期待されています。
大葉(しそ)にはお腹を温めてくれる作用があるので、特に胃腸が冷えやすい人で夏野菜など身体を冷やす食べ物を食べる際は、大葉(しそ)と一緒に食べることをおすすめします。
これらはどれも生で食します。
香りの成分は刻むことでより香り高くなります。
大葉(しそ)は時間が経つと香り成分がなくなってしまいますので、なるべく鮮度の良いうちに食べましょう。
大葉(しそ)の香り成分に新たな役割を発見!
先ほど、大葉(しそ)の香りの成分は「ペリアルデヒド」と紹介しました。
最近では、研究機関の間で香り成分の研究が盛んになっています。
その内容はズバリ「ペリアルデヒドは食欲増進作用以外に薬理作用はないのだろうか?」といった研究です。
研究を通してわかったことは、大葉(しそ)のペリアルデヒドには腸炎の改善に効果があることです。
「別に腸の病気とかないし、自分には関係ない」と思うのは待ってください。
研究の結果から、毎日大葉(しそ)を2,3枚以上(特に生の状態で)積極的に食べると、腸の病気予防にも効果があることが発表されました。
腸の病気を決して侮らないでください。
腸は、「第二の脳」と呼ばれています。
心臓ですら脳の指令を受けて動いていますが、腸の神経系は自活してしかも脳に指令を送っているのです。
脳内物質で快楽を与えるドーパミンの50%、安心感につながるセロトニンの90%は腸内に存在している細菌が生成しています。
美味しいものを食べると幸せになるのは腸内で脳内物質が作られていることと関係していることの証明です。
香り高い大葉(しそ)を生で積極的に食べることは、腸を元気に保つことになります。
大葉(しそ)の栄養をなるべくなくさない調理方法
大葉(しそ)の栄養で水溶性のビタミン類を失くさない調理方法は、生で刻まない方法です。
サッと洗って、使います。
この方法は食物繊維も壊しませんが、正直ちょっと食べにくいですね。
また、大葉(しそ)の脂溶性ビタミン類をより効果的に体内に取り込む調理方法は、油を使用した加熱することです。
そして、腸を元気に保つ成分を失くさないためには、やはり生で食べることです。
大葉(しそ)を調理する時の注意点
チョットここで寄り道です。
大葉(しそ)は、バジルの代用としても利用されます。
バジルをジェノベーゼにする時は、フードプロセッサーを使用して刻みオリーブオイルやニンニク、パルメザンチーズ、松の実を加えてソースにします。
ここで注意したいのは、フードプロセッサーよりは、すり鉢を使用する方が望ましい点です。
大葉(しそ)は金属を嫌います。
ですから、フードプロセッサーで刻むよりもすり鉢を使った方が美味しく仕上がります。
更に、すり鉢を使うことで細胞を刻むのではなく、潰した方がより香り成分を立たせることもできます。
したがって、大葉(しそ)を刻む時はできるだけセラミックス包丁を使用しましょう。
よく調理上の注意で「金属を嫌うので、包丁を使わない」と言います。
レタスがその代表ですね。
これは、包丁の鉄分で酸化するためです。
また、包丁を使って切ると食物繊維をぷっつりと断ち切ってしまいます。
それにより、栄養価が流出しやすくなる原因になるんです。
薬味にするために細切りにすればするほど、水に放した時に栄養が流れ出てしまいます。
「骨折り損」状態ですね。
あなたの頑張りが報われるためにも、セラミックス包丁をおすすめします。
ちなみに、バジルはシソ科の植物ですが、香りの成分はヨモギと似ています。
バジルで作ったジェノベーゼと大葉(しそ)で作ったジェノベーゼは、香りが似ていても成分は異なります。
大葉(しそ)は生と加熱、栄養的にどっちの方が良い?
結局のところ、大葉(しそ)に何を求めるかで決まります。
栄養的に言えることは、おおもとの摂取量が少ないので生も加熱も変わりがありません。
大葉(しそ)10枚で5gです。
栄養成分表はどの食品も100g当たりの成分です。
大葉(しそ)100gを食べるためには、200枚必要です。
ほうれん草の○倍とか、△△より栄養価が高いと言っても、やはり一度に食べる量が違いますので・・・
そのため、摂取量でいえば加熱した方が食べやすいが、大葉(しそ)は生で食べることが栄養的には良いと結論付けられます。
つまり、生の大葉(しそ)の香りの主成分であるペリアルデヒドを積極的に食べることが、現実的に可能で、身体にも良い影響を受けられるからです。
大葉(しそ)は加熱して食べた方が良い?生で食べたときとの栄養価の違いについて:まとめ
薬味食品は多くありますが、そのほとんどが大葉(しそ)のように単体で見ると栄養的に優れているものです。
しかし、一度に食べる量が極端に少ないものばかりですので、積極的に食べるといっても、継続が難しいこともあります。
ただ、意識して食事に取り入れることで、あなたの食卓を風味豊かにする上に、料理を五感で味わうことは、身体にとっても良いことにつながります。
今回ご紹介した身体にウレシイ効果の多い大葉(しそ)を知って、少しでも食べるチャンスを増やして下されば幸いです。
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