
私は、最初パイナップルが咳止めの効果があるという話を信じられませんでした。
しかし、調べたところによると、2010年にインドの学者たちの研究で咳が出た時にパイナップルを摂取すると効果があるという報告があります。
ということで、パイナップルは咳が出るときに効くのか、その咳止め効果や美容と健康効果などについてまとめました。
パイナップルは咳が出る時に効く? 咳止め効果とは?
2010年、アーユルヴェーダを熟知したインドの研修者の実験から、パイナップルジュースに塩、コショウ、はちみつを混ぜた特製ジュースを作り、
その特製ジュースと咳止めシロップに結核で咳の症状がある患者に飲ませた結果を比べてみるという実験を行いました。
そうすると、咳止めシロップより、特製パイナップルジュースのほうが咳が出る時に効果的だったのです。
ちなみにアーユルヴェーダとは、植物の自然治癒力を最大限に生かすこと、美と健康の妨げのトラブルを身体の内側から改善し、
心と身体のバランスを目的とした世界最古の伝統医学と言われています。
それは何故か?パイナップルの咳止め効果の原因の理由として、プロメラインの存在が見つかったのです。
ブロメラインとは、プロテアーゼというタンパク質を分解する消化酵素の一種のことを言います。
その酵素が、咳をする痛み(つまり、炎症反応)をする刺激を減らしていたという結果が出ました。
他にも、パイナップルには、ビタミンCやビタミンA、マグネシウム、マンガン、カリウム、
といったミネラル成分が豊富なことも、作用しているのではないかと言われています。
ビタミンは人体で作れませんからね。積極的に取ってほしい栄養素でもあり、疲労回復・美容にも効果的です。
パイナップルって、そのまま食べても美味しいですが、何個も食べていると痺れてくることがありませんか?
あの痺れの原因もプロメラインなんです。
「え?」「悪いものなのかな?」と不安に思いますよね。
しかし、そうではありません。実は、人間の舌はタンパク質に覆われているのですが、
プロメラインはタンパク質を分解する酵素なので、食べていると舌が痺れてしまうのです。
なので、決して悪いものではないのです。
それに、風邪を引いている時、咳が治まらない時に固形物を食べるのが難しいこともあると思うんです。
喉が炎症していたり、喉の周りにある扁桃腺や腫れて、無理に固形物を食べてしまうと、喉が詰まる恐れがあります。
また気道とは違う場所に入ってしまい、誤嚥性肺炎を起こすきっかけにもなります。
なので、特製ジュースを作って頂きたいのですが、作る際に注意が必要です。
パイナップルの栄養素を効果的に摂るには
特製ジュースを作る時に気をつけて頂きたいことがあります。
実は濃縮還元ジュースでは酵素の働きがなく、効果が期待できません。
(濃縮還元ジュースとは、加熱して冷凍保存してボトル詰めする方法のことをいいます)
なので、おすすめはパイナップル(果物そのもの)か、ストレートの100%ジュースです。
実は、パイナップルに含まれているプロメラインは熱に弱いのです。
60度以上の温度になると、成分の働きが悪くなってしまうので、パイナップルの缶詰では効果がないので注意して下さい。
咳止めシロップには含まれていないのか?
ペアコールという咳止めシロップを例にして、成分を書くと
- ジビドロコデインリン酸塩(効果:鎮咳、鎮静)
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩(効果:気管支喘息、急性気管支炎等の咳止め)
- d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(効果:くしゃみ、鼻汁、咳、気道の腫れ、皮膚のかゆみ、目の炎症などのアレルギー症状を抑える)
- グアヤコール スルオン酸カリウム(効果:去痰)
- 無水カフェイン(効果:眠気、倦怠感)
- カンゾウエキス(効果:喉の痛み、咳止め)
- セネガ流エキス(効果:鎮咳去痰)
どれも当たり前ですが、咳止めの為の成分が入っていますね。
これらの成分は、ペアコールの咳止めだけなのだろうか?と思い、他の咳止めシロップも調べてみました。
アネトン咳止め液
- コデイリン酸塩水和物(咳、痰を抑える)
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩(気管支を拡張する作用、気管支の痙攣を抑える作用、咳を鎮める)
- クロルフェニラジンマレイン酸塩(抗ヒスタミン剤の一つで、アレルギーの原因になって起きる咳を抑える)
- 無水カフェイン(頭痛、不快感を和らげ、また眠気を抑える)
- セネガ流エキス(気道粘液の分泌を亢進させ、痰を薄くして出やすくする)
やはり当然と言われたら当然ですが、主に咳止め効果の成分が入っていますね。
決して、咳止めシロップが効果的な成分が入っていないわけではないのです。
しかし、パイナップルに入っているプロメラインという成分は見当たりませんでした。
薬に頼ることに抵抗がある人や、食べ物で身体の中から改善したい人には、一度特製パイナップルジュースを作ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、パイナップルの他にある効果をまとめてみると、
- アンチエイジング
- 消化を助ける
- デトックス
- 痛風改善
- 疲労回復
- 美肌効果
もあるのです。
やっぱり、パイナップルって健康と美容にいいんですね。
パイナップルで逆に咳が出る、悪化した!アレルギー?
では、誰でもパイナップルが万能であるのか?ここまで読んでいると、パイナップルは様々なことに対して、万能のように思いますよね。
でも、そうではないのです。
パイナップルで咳が出るなど、体調が悪化することはあります。
その理由として、主に3種類に分けることができます。
1、身体が異種タンパクと判断し、アレルギー反応を起こすことがあります。
アレルギー反応として、胃痛、腹痛、下痢、吐き気を起こします。
また症状が悪化して、アナフィラキシーショック(呼吸困難症状)を起こす場合もあります。
生のパイナップルを食べた時に、喉のイガイガ、痛み、かゆみを感じる原因は、プロメラインが原因です。
先ほどにも書きましたように、プロメラインはタンパク質を分解する消化酵素です。
人間の身体もタンパク質でできているので、食べると口の中や舌、痰の粘膜などのタンパク質も分解され、悪影響が出てしまうことがあります。
これを、口腔アレルギー症候群といいます。
未成熟なパイナップルには、ショウ酸カルシウムという口の中に刺激を与える成分が含まれています。
このショウ酸カルシウムは、顕微鏡で見ないとわからない大きさの針状結晶を作っています。
これが喉のイガイガ、痛み、痒みなどを与えやすくなっています。
ショウ酸カルシウムを取りすぎると怖いのが、口の中や舌、唇が荒れて出血する可能性があること、
消化器障害や、咳が続くと喘息、呼吸困難にもなる可能性があることです。
2、単純に、パイナップルを食べすぎてしまった時、冷蔵庫で冷えすぎた状態で食べたことで、
胃腸に強い刺激をさせてしまった時、またパイナップルが傷んでいることに気付かずに食中毒を起こしてしまった時です。
3、パイナップルが体質に合わなかった時、また疲れやストレスで胃が弱い状態で食べると、
パイナップルに含まれるクエン酸の刺激に、胃痛を起こす場合があります。
また、パイナップルにたくさん含まれている糖分が小腸に吸収しきれず、膨満感、不快感を感じることもあります。
これらの異変が起きた場合、パイナップルを摂取するのを中断して専門医の指示を仰いで下さい。
パイナップルが咳に効く?咳止め効果は:まとめ
・パイナップルは咳止めに効果的である。
その理由として、プロメラインという消化酵素が理由にある。
・パイナップルを食べることで起こる痺れも、プロメラインが原因である。(悪いものではない)
・未成熟なパイナップルには、ショウ酸カルシウムが含まれているので、
あまり多く食べすぎると、消化器障害や、呼吸困難を起こす原因となる。食べる量に注意したほうがいい。
・パイナップルの食べる量や人の体質で合わなかったり、パイナップルの傷み具合などで、体調を崩すこともあるので注意の必要がある。
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